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この和約成立の影には四つの種族の共存・共栄を目指す組織の尽力があった。組織の名は「イシュタード」。アスフォール語で「共に歩む」という意味である。
 動乱勃発当初より、各種族においては微細ではあるが種族間の和解や共存を模索する動きがあった。それが偶発的な出会いから形となって動きはじめたのは《並行世界の重複》から三五年が経過した頃であり、アスフォールの魔術師ルー・レンが発起人となって「イシュタード」が発足した。発足当初の人員は、アスフォール人七名、地球人一二名、リ・ガイア人四名、ムウの者二名という少数であった。
 イシュタードの参加者は、種族間の和解には統一した言語の作成が欠かせないと考え、およそ五年の歳月をかけて「共通語」と呼ばれる文字と言葉を開発した。また、言語的コミュニケーション能力を有さないムウのために翻訳機の開発もおこない、四つの種族が共に歩める道の模索を開始した。
 イシュタードの動きに対し、当初は反対の意見が圧倒的であり、組織の行動は常に波乱に満ちたものであった。組織発足から一五年後にはルー・レンが暗殺され、その翌年にはルー・レンの跡を継いだリ・ガイア人のラ・トラスが毒殺された。さらに他のメンバーに対する襲撃も相次いで実行され、イシュタード発足から一八年目には発足時のメンバーの全員が殺害されるという有様であった。それでも、組織の理念は脈々と受け継がれ、次第に勢力を拡大していった。
組織参加者の数も年を追うごとに増えていき、西暦二一二八年にはリ・ガイアの大長老ロ・ドムが組織への参加を表明。その五年後には〈汎人類評議会〉第一七代目議長のイアン・ハットマンが参加の声明を発表し、翌年にはムウ全体が組織への参加を表明した。
この時点で三種族の間では停戦が実現していたが、アスフォールだけは頑なに組織への参画を拒否し、戦闘を継続していた。しかし、西暦二一三五年になって廷臣たちの必死の説得に屈した皇帝が組織への参加を表明し、ついに〈ラーレスの和約〉成立といたったわけである。
 和約の成立によって種族間の停戦は実現したが、それによってそれまでの全てが水に流れるわけではなかった。怨念、怨恨、不審、憎悪、そして恐怖――一世紀に及ぶ動乱によって生じた種族の間の亀裂は、そう簡単に修復できるものではなかったのである。

「種族間の真の和解は我々の世代では不可能だろう。だから全ては次の世代に託すべきだ。争いを知らない次世代の子供たちに・・・・・・」

 地球人代表のイアン・ハットマンは種族間会議でそう告げ、各種族の代表に対し一つの提案をおこなった。
 平等で公平な立場で相手を知ることができる場所の設置――つまり、共存のための学園の建設である。学園設立に対する賛同はすぐに得られ、学園の名には種族間の共存・共栄を目指した組織イシュタードの名が冠することが決定した。
 学園は四つの種族の勢力間の中央に位置するラーレス島にて建設が開始され、西暦二一四三年四月、種族間の真の和解を目的としたイシュタード学園が開校する。
かくして、各種族を代表する若者たちが足を踏むこととなる。

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《並行世界の重複》から五年後、それぞれの場所で勢力を確保した四つの種族は本能赴くまま交戦状態に突入する。後世ではその期間を動乱期と呼ぶ。種族間の戦いは実に一世紀の長きに渡っておこなわれ、それぞれの種族の命運を賭けた総力戦であった。
 戦いの勃発は、ある意味で必然的であったかもしれない。すべての種族にとって、いまある世界は自分たちがもともと住んでいた世界なのである。そこに突如として高度な知能を有する異種族が登場し、自分たちの生活を破壊し、そして住んでいた場所を奪ったのだ。とり返そうと試みるのは生物の本能として当然のことであろう。
 地球人は残っていたありったけの兵器や火器を集め、リ・ガイアと戦争状態に突入した。リ・ガイアの目に地球人は、かつて来襲した宇宙からの侵略者と重なって見えたため、その戦いは残虐性を帯びた熾烈なものとなっていった。
 アスフォールは皇帝デザイアの下令によって「ムウ」の勢力圏へと侵攻を開始。ムウは侵略者の到来に対し、自らが有する植物を操作する術でもって対抗した。アスフォールの勢力圏では全ての作物が成長を止めるという惨事が発生し、餓死者が続出した。
 戦いの様相は年単位で変化を続け、同盟が結ばれ、あるいは破棄され、共闘がおこなわれ、あるいは仲間割れが生じ、裏切りが発生し、利益と打算による帰化も相次いだ。
 一世紀に及ぶ動乱によってそれぞれの種族は大きく数を減らし、疲弊していった。
地球人の人口は、小惑星「ネビル」衝突以前は六〇億人を超す数字を誇っていたが、二十二世紀初頭にはその数を二億人にまで減らしていた。他の勢力も戦いの長期化に伴ってその数を大きく減らしており、アスフォールの人口は一二〇〇万人にまで減少、リ・ガイアは八〇万人にまで減少、ムウにいたっては五万体までその固体数を減らすという有様であった。

「このまま戦いが続けば、いずれ全ての種族が滅びてしまう・・・・・・」

 それぞれの種族にそのような共通の危機感が芽生えはじめ、かくして西暦二一三五年六月七日、各勢力の中央に位置する島、ラーレスにて、四つの種族の全てが調印して〈ラーレスの和約〉が成立。種族間での全ての戦闘行為が停止された。

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「それは唐突な出現だった。まるで目眩のように世界が揺らいだかと思うと、次の瞬間にはありえない光景が広がっていたのだ。都会のど真ん中に山がそびえ立ち、見たこともないような奇怪な建物が林立しているではないか。太平洋に大陸が出現したと報じられた一時間後、アフリカ大陸が海中に没したとの一報が入ってきた。庭には見たこともない植物が生い茂り、得体の知れない生物たちが跋扈している。そして私の隣には、獣の姿をした人間が立っていたのだ。彼と目が合った瞬間、私も彼も酷く驚いた・・・・・・」

 並行世界(パラレルワールド)とは、ある世界から分岐し、それに並行して存在する別世界のことを指す。あったかも知れない、あるいは、ありえたかも知れない世界のことだ。しかし、いったいいつ何処で世界が分岐したのか、確認する術はない。なぜならば、重なりあった世界の住人たちは、いずれも人類とはかけ離れた存在であり、まったく別次元の社会を営んでいたからである。
《並行世界の重複》によって生じた混乱は、小惑星〈ネビル〉の衝突とは比較にならないほど大規模なものであった。当時の様子を記す資料は少ないが、その期間はただ一言で語ることができるといわれている。
 曰く、

「筆舌に尽くしがたき混沌・・・・・・」

 と。
《並行世界の重複》という前代未聞の混乱から世界が一定の秩序を回復したのは五年後のことであった。重なりあった複数の世界の住人たちが、一つ世界のそれぞれの場所に落ち着き、勢力を確保したことによって社会に透明性が確保されたのだ。その結果、少なくとも四つの世界が一つの世界に重なったことが判明したのである。
 一つ目の世界の名は地球。人という高い知能を有する二足歩行の猿が支配する世界であり、高度に発達した科学文明を持つ。
 二つ目の世界の名はアスフォール。地球と同じく人によって支配されている世界であり、彼らの文明は中世ヨーロッパを彷彿とさせる社会体制を維持していた。唯一の違いは、彼らが科学ではなく、魔法を軸にして発展してきたという点である。彼らの地球人との遺伝子適合率は実に九九・九パーセントに達するが、アスフォールを統べる皇帝は、人でありながら、すでに在位期間が五五〇年に達するという化け物であった。
 三つ目の世界の名はリ・ガイア。人と獣の特性を持つ、いわゆる「獣人」と呼ばれる種族が支配する世界であり、狩猟と採取という原始的な方法で暮らす者たちであった。彼らの地球人との遺伝子適合率は一一・三パーセントから九三・一パーセントと幅が広く、外見にもかなりの個体差があるのが特徴的だ。〈汎人類評議会〉が収集した情報によると、彼らは強力な機械文明を有する外宇宙からの侵略者に対抗するために、獣と交わり、純粋な身体能力を強化する進化を選んだ種族だという。
 四つ目の世界の名は「ムウ」。命名者が日本人であったため、漢字の表記は「無有」という。彼らは自らが暮らす世界の名を持たぬ種族であった。ムウの者たちは青紫色のゼラチン質の身体を有するゼリー状の種族であり、スライムに近い形状をしていた。大きさは一〇センチほどから五〇メートルまでと様々であり、遺伝子を解析した結果、植物とほぼ同種であることが判明している。主な栄養源は水と日光。同種とのコミュニケーションはテレパシーによっておこなわれる。彼らが高度な知能を有する種族だと判明したのは《並行世界の重複》後の動乱期においてであった。

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 ・・・・・・かつての人類にとって「世界」とは、地球上における人間社会のことを指していた。それが全てだった。
 その概念が一変したのは二十一世紀初頭、外宇宙より飛来した小惑星〈ネビル〉が地球に衝突したことに端を発する。小惑星〈ネビル〉の直径はおよそ八〇キロメートル、質量は推定四〇兆トン。衝突すれば人類社会はもちろんのこと、わずかなバクテリアを除く地球上のほぼすべての生物が死滅すると予測された。
この未曾有の危機に対し、人類はこれまで培ったすべての英知を結集させて小惑星回避に全力を注いだ。重力牽引宇宙船の開発、設置型推進ユニットの開発、人員を送り込んでの爆破計画、そして核ミサイルの発射など、危機回避に向けた様々な取り組みが模索されたが、その全てが徒労に終わると、社会は大混乱に陥り、世界はまさに世紀末の様相を呈するにいたった。
当時の様子を記した資料によると、混乱に伴い人類社会の法と秩序は過去に帰属し、人間たちは内に秘めた凶暴性を解放して暴れまわったという。そして地上は殺人をはじめとするありとあらゆる犯罪が横行する地獄と化したそうだ。後世の統計学者ルイ・ホワン・シャフトの計算によると、小惑星〈ネビル〉が地球に衝突するまでの数日間で生じた犠牲者の数は全世界でおよそ二五〇〇万人に達したという。それは当時の混乱がいかに巨大で御しがたいものであったかを語るに足る数字であった。
 そして運命の日――西暦二〇二八年九月一〇日、小惑星〈ネビル〉が地球に衝突した。だがそれは、人類の滅亡ではなく、ましてや地球の滅亡などでもなく、「世界」が新たなるステージへと移行した日であった。
 小惑星〈ネビル〉の衝突に伴って、地球では想定すらされていなかった事態が生じていた。
《並行世界の重複》
小惑星の衝突によって発生した極小ブラックホールの出現と、それに伴う時空断流の発生、さらには小惑星の爆散によって生じたエネルギー波によって地軸が歪み、空間が断裂し、次元の境界が剥きだしとなったのだ。そしてそれによって、それまでは机上の空論でしかなかった並行世界の存在が確認され、重なってしまったのである。それも無数に。
 後の地球人類統一機構〈汎人類評議会〉の初代議長を務めることとなるシェロス・マッカートニーは、当時の様子を次のように語っている。

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