翌日、第一三班は指定された集合場所に無事到着することができた。指定された課題の品、イオの実を無事に手に入れて。集合場所は浜辺であり、海が静かに波打っていた。他の班はまだ到着しておらず、彼らが一番であった。

「いろいろあったが、無事に終わったな。オリエンテーション」
「ああ。だが、学園での生活は始まったばかりだ。これからが本番だな、友よ」
「あ、あの、皆さん・・・・・・よ、良かったら、その、学園に戻っても―――」
「ソノ先ハ言ウ必要ハアリマセンヨ、アリスサン。我々ハスデニ「仲間」ナノデスカラ」
「だな」

 深影は微笑した。その笑みは、彼が生まれて初めて見せた柔らかい笑いであった。
 生まれてからずっと、全てを憎み、全てを呪っていた彼であったが、負の感情の霧散は唐突であった。気づいた時、深影の心から影が消えていた。復讐の二文字も、いつの間にか過去に帰属されていた。深影は生まれて初めて、この世に生を受けたことに充実を覚えていたのだった。
 今回のオリエンテーションでは、全四〇班のうち、第一三班を含めた三四班が無事に生還を果たした。だが、これで終わりではない。ヴェガが言ったとおり、彼らの学園生活はこれからが本番なのだから。
 この時はまだ誰も知らない。
 世界を変えうる力が、この学園から生み出されることを。
 ・・・・・・数年後、些細ないさかいから平和が乱れ、各種族が再び対立を始める。友愛や友和といった美しい建前をかなぐり捨てて、再び武力でもって敵対種族の絶滅に取り掛かろうとしたのである。しかし、そこへ毅然とした態度で立ちはだかったのが、学園で共に過ごし、共に学んだ仲間たちであった。彼らは種族間の戦いを止めるべく、奔走し、そしてついには戦いの回避に成功する。その先頭に立ったのは、不吉な数字を背負った班の者たちであった。


                                   了

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