また、人材の被害も甚大だった。これまで、各国で最前線に立ち、メガシオンとの戦いで活躍してきた将たちが軒並み戦死したのだ。カルナップの英雄イーリアス、ルドリアの智将オルブライト、猛将ライゼン、エルザリオンでも五人の軍将が戦死している。生き残った軍将は、カイル・ルーとアーバネット・マーベラスの二名だけであった。
 後方でも死者がでていた。エルザリオン帝国のヴォルガ皇帝が自殺したのだ。作戦の失敗の責任をとっての自殺とも、前途を悲観しての自死とも噂されていたが、結局、真相は不明のままであった。
 かくしてエルザリオンでは、この混乱の最中、新皇帝を選出するための必要性が生じたわけだが、これはすみやかな収束をみる。選帝会議にて、皇太子のシュナイザーが新皇帝に選ばれたからだ。選帝会議では、先の戦いでメガシオンに敗北したシュナイザーの責任を問う声もあがったが、結局のところ、シュナイザーよりも有能で実力に富んだ人物は誰もおらず、また、妹のエルザ皇女や叔父のアルガス公爵がシュナイザーの戴冠を認めたことから、慣例どおり皇太子であるシュナイザーが新たな皇帝と決まったのであった。
 皇帝となったシュナイザーは、まだ自らの傷が癒えぬうちから精力的に行動を開始した。戦死した将兵たちへの慰霊の儀式を執り行い、国庫を開いて遺族たちへの弔意金を支払い、先の戦いでの戦果を強調した布告をおこなって人心の安定に努めた。実際、先の戦いでは、エルザリオン軍は終始圧され続けていたにも関わらず、最終的には数十体ものメガシオンを撃破することに成功している。その三割程度は、シュナイザーやカイル・ルーなど、一部の強者による戦果であったが、エルザリオン軍が上げた戦果であることは間違いない。また、エルザリオン軍がまだ健在であり、メガシオンとの戦いを継続できるだけの力を保持していることも誇張して伝えられ、これによってエルザリオン国内の社会秩序は安定をみた。この一事だけみても、シュナイザーの皇帝としての実力が証明されたわけだが、シュナイザーが発揮した真価はその後にあった。

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 ヴォルガ総反攻作戦失敗――三カ国連合軍、メガシオンに大敗を喫する。
 その凶報が世界中を駆け巡ると、それまで一応の安定をみていた人心が一気に乱れ、恐慌がおこり、社会秩序が崩壊した。
 ヴォルガ総反攻作戦――それは人類の未来をかけた戦いだった。前代未聞の大同盟、空前の大軍、国境を超えた協力は軍・民を問わずなされ、あのチェザーレですら利害を捨てて力を貸した人類が一致団結したこの作戦が、失敗したのだ。それは人類の希望を粉砕するには充分すぎるほどの破壊力を秘めた悲劇だった。
 三カ国連合軍がメガシオンに敗北して以降、各地では犯罪の件数が飛躍的に増大した。殺人、略奪、暴行、強姦、強盗、暴動など、自暴自棄に陥った市民たちが各地で凶行に走り、万単位で死傷者が続出した。その被害は国軍のほぼすべてが消滅したカルナップやルドリアでより多く、特にルドリアでは、長年に渡って拡大していた格差問題を背景とした全国規模での暴動が相次いで、さながら内戦のような状況に陥ったという。特に地方の貧困階級の怒りはより激しく、怒りの矛先が向けられた指導者階級では家族単位での殺害が相次いだ。「機会の平等、権利の平等、富の平等」という「三平等主義」を掲げた理想国家のそれが末路だと笑う者もいたが、大半の者はそれどころではないのが現状であった。
 ヴォルガ総反攻作戦における最終的な戦死者の数は三カ国で合計して三三〇万人を超えた。特にメガシオンからの強力な破壊攻撃を受けたカルナップ軍とルドリア軍の戦死者の割合がもっとも多く、両軍は動員した兵力総数の九割以上を失うという有様であった。その一方で、最初から最後まで激戦の只中にありながらも、エルザリオン軍の最終的な戦死者の数は一〇〇万人に届かなかった。三カ国のなかでもっとも長く激しく戦いながらも、被害がもっとも少なかったのは皮肉としかいいようがない。ただし、エルザリオン軍の戦死者の多くは精鋭であり、なかでも戦闘経験が豊富な特戦隊の犠牲者が多大であったことから、エルザリオン軍の再出発も容易ではないことは誰の目にも明らかであった。

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忙しない7月がどうにか過ぎ去り、気がついたら8月が来ていました。月日が流れるのって本当に早いですね。

最近、職場の方で動きがありまして、ようやく何人か新しく入ってくることになりました。おそらく本格的な増員があるのは9月くらいからでしょうが、ようやく超勤地獄から解放され、負担が減るかと思うとうれしいです。いや、本当。

しかし、まだまだいそがしい日が続きます。特にお盆は人が足りなくて夜勤込みで14日連勤ですが、中には夜勤込みで20連勤なんて人もいますから、ダメ人間はまだまだ恵まれているような気がします。ちょっと感覚がおかしくなっていそうですが。

そんなわけで、ボチボチ、こっそりとまた小説の方も始動していきたいと思います。
最近はあまりかけていませんが、いま連載中の「カードdeダンジョン」以外にも小説のストックはありますので、そちらの方をブログで随時掲載していこうと思います。

そしてカードゲームの方ですが、ダメ人間はイラストレーターがチンプンカンプンだったため、イラストレーターが使える方にお願いすることにしました。
で、カードゲームも、「カードdeダンジョン」ではなく、実はこっそりと進めていた「マネー・ウォーズ」というカードゲームの方が先に進むかもしれません。

ただ、まだ色々とどうなるかはわかりませんが、ゆっくりと進めていきたいと思っています。
今日はそんな感じの報告でした!

マネー・ウォーズのイラストの1枚。彼女の身に一体なにが!?
マネーウォーズ
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最近、疲れが溜まっているのか、心が非常に萎えています。
原因は、たぶん、リアルでの仕事かな。
早番、遅番、夜勤を繰り返し、疲れが取れないだけでなく、年齢相応に身体にガタがきているのか、段々と無理がきかなくなっております。特に足と腰がヤバイです(笑
書きたいことは一杯あるし、やりたいこともあるのだけれど、物理的な時間がそれを許してはくれない。
仕事は給料が入るけど、同時に心も削られてゆく感じ。
夜は睡眠薬が手放せない。
仕事を辞めて、本腰を入れるべきだろうか。死活問題になるけど・・・・・・。
う~む、まいった。

ですので、お世話になっている方々にこの場を借りて謝罪させてください。
色々と遅延していてすみません。
本当にすみません。
本当に、すみません・・・・・・。
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「カイル、それからフェリクス」
「はッ」
「は!」
「国へ戻るぞ。この負けいくさの後始末をせねばならん。そして――未来へと進まねばならん」

 フェリクスと、カイル・ルーの手を借りながら、シュナイザーは埋もれていた雪の中から立ち上がった。全身が痛み、まともに立つことすらままならず、歩くだけで脳が痺れるような激痛が走った。それでも、シュナイザーは苦痛を表情にはださず、毅然として振る舞った。痛みを身体の芯に刻みこむようにして。
時刻はすでに深夜となっており、辺りは暗く、遠くまで見渡すことはできなかったが、それでも見える範囲に散らばっている無数の死体を確認することはできた。いずれもメガシオンたちに殺されたエルザリオン軍兵士たちの遺体である。無傷な死体は一切なく、どの死体も、踏み潰され、引き千切られ、血塗れになって、原形を留めていないほど破壊し尽くされた無残なものばかりであった。なかには恐怖や苦悶の表情を浮かべたまま硬直している死体も数多く残されていた。
 シュナイザーは彼らに誓った。どんな手を使ってでも、奴らを、メガシオンたちを、この世から駆逐し、葬り去ることを。そのためであれば悪魔に命を売り払ってでも良いとさえ考えていた。

「・・・・・・みていろ、必ずや仇をとってやるからな」

 ・・・・・・この一ヶ月後、エルザリオン帝国は、チェザーレと同盟を結び、無力と化したカルナップやルドリアを併呑して、大陸全土の覇者となる。

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プロフィール

ダメ人間

Author:ダメ人間
社会の底辺で生息している「ダメ人間」です。
若くないです。もうおっさんです。
戦記ものの小説を主に書いていますので、どうぞ見てやってください。

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